unrealtribe「焦燥」

曲紹介
unrealtribe「焦燥」ドラム解説

焦燥

焦って苛立つ様を表す言葉だそうです。

Vo.黒兄は、とある殺人事件からこの歌詞を書いたそうな。

後ろ暗い背景の歌詞とは裏腹に、美しく流れるアルペジオ。

「無限に広がってゆく自己の世界」

まさにそんな世界を表しているサウンドですね。

この曲はアレンジに苦労しましたね。

メインのドラムパターンが全然浮かばなかったんですよね。

パンク一辺倒すぎて、世界が狭かったですからね俺。

で、ようやく浮かんだパターンがこれ。

3連の刻みは最初は無くて、レコーディング直前に加えたものなんですけどね。

普通の16ビートとは違い、右手のハット⇔スネアの往復のタイミングが倍なので、ちょっと大変。

プロフィールにも書きましたが、3年ほどこのバンドから離れていて、復帰してこの曲を叩いた時には、こんな変なフレーズを考えた過去に自分に戸惑いを覚えましたね。

ていうか、パラディドルで演奏すれば、右手だけで刻み成り立つのでは?

ホント、脳筋パワーバカだな、当時の俺・・・。

譜面には上げていませんが、途中スネアの音が増えるパターンになるんですけど、曲中一番のお気に入り部分です。

あとはシンプルなハットオープン&クローズからの、ボーズクレッシェンドで1ループ終わり。

このボースクレッシェンドが、ちょっと間空いただけで叩けなくなってしまうんですよね。

実際、動画でも久々で粒の揃いが甘いですからね・・・。基礎練習って大事ですね。

問題は後半なんですよ、静かな感想部分があるんですけど、先述したmindglichiの時より長い「無音」部分があるんですよ…。

前述した通り、クリックが搭載されていないので、ここが本っ当に鬼門でしたね。

間奏前半部分でしっかりテンポ感を養いつつ、無音部分の6拍を数え、ドーン、と一斉に演奏に入る。

練習ではまだなんとかいけるんですが、問題はLIVE本番。

人間というのは、その時の心拍数によって時間の感じ方が変わってきます。

なので、普段より興奮気味なLIVE本番となれば、自分では普通のつもりでも、はたから見るとテンポが速くなりがちになるんです。

この高ぶりを抑えて、心静かに、まるで機械の如く時を数える・・・

禅の世界ですね、まるで。

この唯一にして、曲中最大の難所を越えれば、あとは同じパターンの繰り返しなんで、もうゴールはすぐそこ。

当時、1,2を争う難曲でしたね。

今は編成が変わって、クリックも搭載されているので、1,2を争うお気に入り曲になりましたね。

こんなトリッキーな叩き方、そうそう思い浮かばないだろうし。

きっちり叩けると楽しい曲です。